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句読点の打ち方にうるさい(?)Google翻訳

ユニークな言葉遣いは――たまにやると楽しいもの――

今日びの気分は――句読点の代わりに「――」をつけること――

けれども独創的な文の区切りは――Google翻訳には不可解なようです――

今回の原文は、ハーバード大学のツイッターのつぶやきから

As students buckled down for finals, we took a look at some of their favorite study spaces — each with its own unique draw

このつぶやきをした時はちょうど期末試験の時期。寒いのも忘れて、クリスマス前のひとがんばりだとばかり、学生達は猛勉強をする時期です。そんな学生達をやさしく見守るようなこのつぶやき、我らが機械翻訳はどのように訳してくれるのでしょうか? さっそく見てみましょう。

Google翻訳

生徒たちが決勝のために座屈したとき、私たちは彼らが好きな学習スペースのいくつかを見ました。

エキサイト翻訳

決勝のために学生が下に曲がったように、私達はそれらの好きな研究スペースのうちのいくつかをちらりと見た--それ自身のユニークな引きを持つそれぞれ

それでは、ポイントを見ていきましょう。

「—」以降の訳文

Google翻訳とエキサイト翻訳の訳文の一番の違いは、原文にある「—」以降の文章の扱いでしょう。エキサイト翻訳は意味不明ながら一応訳してあるのに対し、Google翻訳はなぜかカットされています。

試しに「—」を省いた「As students buckled down for finals, we took a look at some of their favorite study spaces each with its own unique draw」という文章をGoogle翻訳にかけてみました。すると出てきた訳文は「生徒たちが決勝のために座屈したとき、私たちは自分の好きな学習スペースのいくつかをそれぞれ独自のドローで見ました」となります。「それぞれ独自のドローで」の部分が元々の訳文では省かれていた箇所なので、文全体の意味が拾われていますね。

しかし、「―」を省いた場合、文法的に問題のある文章になってしまいます。この原文は本来「spaces」の部分で一度完結している構成になっており、最後の「each with its own unique draw」という部分は「それぞれ(の場所には)独自の魅力があります」という意味になり、「spaces」について補足説明をするための役割を果たしているのです。

「spaces」で一度完結しているのだから「―」を入れて区切っているわけで、これを抜かしてしまうとおかしな文章になってしまいます。とりあえず訳文ができたとしても、これではよろしくないでしょう。

では、「As students buckled down for finals, we took a look at some of their favorite study spaces, each with its own unique draw」のようにコンマで区切るとどうなるか? 残念ながらこの訳文は「生徒たちが決勝のために座屈したとき、私たちは自分の好きな勉強スペースをいくつか見てみました。」となり、結局「each with its own unique draw」の部分は抜け落ちてしまいます。

これではいかんと最後の手段。ピリオドを使って文を2つに区切り、「As students buckled down for finals, we took a look at some of their favorite study spaces. each with its own unique draw.」という形にしてGoogle翻訳にかけたところ、「生徒たちが決勝のために座屈したとき、私たちは彼らが好きな勉強スペースのいくつかを見ました。 それぞれ独自のドローを持っています。」という訳文に。

今度こそ文全体の意味をあまさず表現できています。しかも2文目の原文は厳密に主語→動詞の形になっていないにも関わらず「独自の~持っています」というように、ちゃんと主語→動詞の形に直っています。おそらく、「備えている」という意味の「with」の意味をくみ取って「持っています」と言い換えたのでしょう。なかなかナイスな訳文です。

Google翻訳がなぜ文の一部を省くのか、その条件はよくわかりません。とはいえ、どうやら意味の区切りの部分では「―」やコンマを使うより、ピリオドで区切って文を分割した方がGoogle翻訳には認識しやすいようです

Finals

原文で出てくる「finals」という単語の訳はどちらも「決勝」となっていますがこれは間違い。辞書にある意味としては間違ってないのですが、文脈を考えればこれは「期末試験」と訳されるべきです

アメリカの大学は2学期制で、春学期が1月~5月、秋学期が8月~12月というスケジュールで進んでいきます。学期の中間には「Mid-term exam」、学期末には「Final exam」という試験があるのですが、それぞれ中間試験と期末試験に当たるものです。大学ではたいていの場合「exam(試験)」を略した「Mid-term」や「Final」と呼ぶので、大学の話題で「Finals」と言う場合はほぼ期末試験を指します。

これは、ハーバード大学のツイッターのつぶやきであること、そして同時に投稿された画像が勉強風景を写している写真であることを確認できればすぐに見当がつきます。入力された文章以外の手がかりを使えないという条件で考えてみても「student」や「study space」という単語からみて、スポーツの話題よりは勉強に関する話題が近いのでは、と推測するのは難しくはないはず

機械翻訳が文章以外の手がかりを自在に探れるようになるのが先か、あるいは文章中の手がかりを人間と同じレベルで活用できるようになるのが先か、今後の進歩が気になるところです。

Buckle down

Google翻訳は「座屈」、エキサイト翻訳は「下に曲がった」と、これはどちらも意味不明な訳語です。座屈とは、上下から力がかかって細長い物体が折れること。物騒ですね。

どちらの翻訳も「buckle」の意味だけを拾ったためにこのような訳になったと思われます。これは「buckle down」までまとめて意味を取るべきもので、この用法だと「(仕事などに)専念する、真面目に取り組む」という意味になるのです

「finals」を「決勝」と解釈しても「期末試験」と解釈しても、いずれにせよ「buckle down」の意味で訳した方が自然です。なぜか成句として認識されなかったがための誤訳ですね。

自作の訳文&まとめ

自作の訳を書くとすれば、こうなるでしょうか。

学生達は期末試験に向けて追い込み中。学生に人気の勉強スポットを覗いてみました。それぞれに独自の魅力があります

変わり続ける世界に取り残されないよう、人間はいつまでも学び続ける必要があります。ウンベルト・エーコはかつてそれを評して「学びの終身刑」と語りましたが言い得て妙。

学ぶことがせめて少しでも楽しくなるように、自分に合ったお気に入りの勉強スポットを見つけることは、学生に限らず重要なのかもしれませんね。

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