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「恐縮です」を訳させたかったら、まずは日本語を理解すべし

日本のビジネスシーンでは頻出語の筆頭といえる「恐縮」。日本語で使う場合にも複数の意味を内包するこの言葉を、機械翻訳はうまく訳せるものでしょうか?

結果はどうやらまだまだのよう。うまく訳させるためには、まず私たちがその言葉の含む意味合いをよく読み取る必要があるようです。

今回の原文は『書きたい表現がすぐに見つかる英文メール』より、次の一文。

弊社では最近、日本および米国にて高品質のDIY製品を発売しましたが、これらの製品の欧州販売を考えており、ディストリビューターを探しています。誠に厚かましいお問い合わせで恐縮ですが、ビルによれば貴社がご興味をお持ちになるかもしれないとのことでした。よろしければ弊社のウェブにお立ち寄りくださり、これらの製品をご覧頂ければ幸いです。

これをGoogle翻訳したものが以下の英文です。

We recently launched high-quality DIY products in Japan and the United States, but we are looking for distributors considering selling these products in Europe. I’m sorry to hear from you indeed an inquiry, but according to Bill, it was that your company might be interested. If you do not mind, we would be pleased if you could drop in on our web and see these products.

この訳文の出来はどれほどのものか?
次からポイントを見ていきましょう。

発売

この単語は「launch」と訳されています。

この単語はロケットやミサイルなどを「発射」するという意味で広く使われますが、ビジネスの分野ではそこから転じて商品販売やサービス、キャンペーンを新たに「立ち上げる、始動する」という意味で「launch」が使われます。

ローンチという言い方は日本語の文書でも時々見るのではないでしょうか? テクノロジー関連の文脈では、最近はなぜかサービス開始よりも「ローンチする」という言い方がよく使われます。まだまだ限定的な用法にとどまっていますが、いずれ広まっていくことはあるのでしょうか? 少し気になるところです。

ともかくこの「launch」という単語は、ビジネス表現をする上で覚えておいて損はないでしょう。「start selling」よりもいくぶんかスマートな表現ができます。

(製品を発売)しましたが

ここの表現は「but(しかし)」と訳されていました。しかし前後の文脈を見ると、少し疑問の残る訳語です。

というのもこの箇所、日本語では「~しましたが」という「but」のような表現ですが、実のところ意味合いとして逆接の意味は薄いように思われます。どちらかと言えばこれは、話題の切り替えのため使っているのではないでしょうか。

話の流れを整理してみましょう。

ここではまず米国と日本で製品を発売したことが述べられています。そこから、その発売した商品について、欧州販売を目指してディストリビューターを探していることへと話が続いていきます。「but」が意味する逆接は反対や対比の関係を表し、両方が成り立たないものをあえて結びつけるものです。しかしこの場合、両者は相反するものではありません。そのためここを「but」で結ぶと不自然になってしまいます。

この接続詞は、「話は変わりますが」または「ここからが本題ですが」という意味を含めるべきではないでしょうか。

日本と米国で製品を発売しました、そしてここからが本題ですが、欧州のディストリビューターを探しています、というようなつながり方になっています。なのでここは「but」ではなく「and」を使うのがよいでしょう。

誠に厚かましいお問い合わせで恐縮ですが

ここの訳は「I’m sorry to hear from you indeed an inquiry」と訳されています。これでは「そちらからお問い合わせについて伺うのは残念ですが」というような意味になってしまい、言い回しが珍妙な上意味も不明です意味も通じない。

基本に立ち返って、ここで伝えたいことは何かを考えてみましょう。

ひとつ可能性が高いのは、こちらから問い合わせることで相手が気を悪くしないかどうか心配している、という気遣いのメッセージです。例えば「もしお気を悪くされたなら申し訳ないのですが」や「このようなことをお伺いするとお気を悪くされるかもしれませんが」というような表現に置き換えられるでしょうか。

こうした意味のことを訳出させたい場合、一例として「もし私がこのようなことをお伺いするとあなたは気分を害されたと感じるかもしれませんが」と入力するのがいいでしょう。そうすれば「If I ask you about something like this, you may feel bad」という英文が出力されます。

ウェブ

ここの訳語は「web」となっています。細かいことですが、ここはウェブサイトを略して言ったもののはず。ウェブサイトを略して言う時、英語では「site」という場合がほとんどです。

ここは「ウェブサイト」か、あるいは「サイト」で訳させれば適切な訳語が出てくるでしょう。

これらを踏まえて望ましい訳語を出力させるための日本語文を考えると、以下のようになるでしょうか。

弊社では最近、日本および米国にて高品質のDIY製品を発売しました。そして、これらの製品の欧州販売を考えており、ディストリビューターを探しています。もし私がこのようなことを言うとあなたは気分を害されたと感じるかもしれませんが、ビルによれば貴社がご興味をお持ちになるかもしれないとのことでした。よろしければ弊社のサイトにお立ち寄りくださり、当社製品をご覧頂ければ幸いです。

恐縮ですが、という表現は普段使う機会はあれど、その意味を深く考えるとなかなかとらえどころのない言葉ではないでしょうか。

この文章ではそこまで含めて英訳しましたが、アメリカなどでは率直な表現が好まれるため、人によっては意味のない冗長な言葉だと捉えられる可能性もあります。なので、いっそのこと削ってしまうのも一つの手かもしれません。

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