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「一考」を「ご一考」にするだけで押しつけがましくなるGoogle翻訳

「ご希望の品」あるいは「ご配慮をお願いします」など、丁寧な表現として動作を表す語句に「ご」をつけるのは一般的な慣習です。

ですが、こと機械翻訳が絡むときには要注意。不可解な誤訳の原因になる場合もあるものです。

今回の原文は、今すぐ使える英語メール例文集より、次のメール例文

エッカート様

お世話になりまして、ありがとうございます。

先日はヨクオチールを2000個、ご注文頂きましてありがとうございました。頂いたメールによりますと御社はスッキリトレールも1000個ご注文頂いているそうですが私どもが頂いた注文書によりますと、ヨクオチール2000個のみとなっております。せっかく頂きましたご注文ですので、このメールをもってご注文とさせていただきますがいかが致しましょうか?

これをGoogle翻訳で英訳したものが次の文章。

Hello Eckert,

Thank you for taking care of me.

Thank you for ordering 2,000 Yoku Ochiru the other day. According to the received e-mail, your company seems to have ordered 1000 refreshing trails, but according to the order form we got, it is only Yoku Ochiru 2000 pieces. As I received your order, I will place an order with this email How shall I?

ちなみに、出典ページにあった対訳文は次の通り。

Dear Mr.Eckhart,

Thank you for your continuous support.Thank you for your order of 2000 pcs of Yokuochil the other day.According to you email, you ordered 1000 pcs of Sukkiritorel.But according to our order sheet, we have only 2000 pcs of Yokuochil.It is bothersome to order again so I will accept your order with this email.

これも参考にしつつ、訳文を見ていきましょう。

お世話になりまして

Google翻訳の英訳文は「taking care of me」。しかしこれでは、相手が保護者として面倒を見ているというような言い方になってしまいます。確かに「世話になる」という言葉の意味たりえる内容ですが、ここで使うには不適当です。

この場合、メールを送る相手は取引先です。すると以前の記事で開設した通り、ここで言われているのは「日頃よりご愛顧ありがとうございます」ということ。こう入力すれば「Thank you for your continued patronage」というふさわしい訳語が出力されます。

のみとなっております。

Google翻訳の訳語は「We have only~」。こう書くと、「当方にはヨクオチールが2000個しかありません」というふうに読み取れます。

しかしこれは、ここで伝えたい内容ではありません。ここの訳語を考えるためには、直前の記述から状況を読み取ってみることが必要になります。

このメールは、先方から送られてきたメールに記載されていた注文の内容に齟齬があって、その確認をするという内容です。

以前先方から受け取ったメールにはヨクオチール2000個に加え、別の商品も1000個注文したとあったようですが、実際の注文内容を記載したはずの注文書には前者の商品しか記載されていない、ということを語っています。先方の認識と実際の注文内容が食い違っていることを説明しているわけですね。

この箇所は、注文書を確認した上で「ヨクオチール2000個のみとなっている」と伝えることで、「注文書にはスッキリトレールの注文が記載されていない」というメッセージを相手に伝えているのです。

なのでここで言うべきは、「注文書にはヨクオチールの記載しかない」あるいは「注文書にはスッキリトレールの注文は記載されていない」ということになるのです。

一例ですが、前者の言い方を採るという前提で入力するべき日本語を考えてみましょう。その場合、「注文書にはヨクオチールだけが記載されています。」という文章を入力することで「Only Yoku Ochiru is listed in the order form.」という訳語が出力されます。こうすれば、スッキリトレールの注文は注文書にないことが伝わるはず。

ご一考されてご返信をお願いします。

この部分の訳は「Thank you for your consideration and thank you for your reply」となっています。

「Thank youfor~」と言っているこの文章では、先方がすでに一考の末返信を済ませているように聞こえてしまう点が問題。相手がまだ何にも言っていないのに「Thank you」と書いてしまうと、なんだか有無を言わさずやれと言っているような押しつけがましい言い方に聞こえるかもしれません。

ここの原文は「お願い致します」なのだから本来は「please」を使うべき場面のはず。なのになぜか「Thank you」が出てきてしまっています。

おそらく、敬語表現が混じるったことで訳文がねじ曲がったのでしょう。試しに動詞から「ご」を抜いて、「一考した上で返信をお願いします」と入力すると、「Please give us a reply after considering it」という訳語が出てきます。これは「それについて考慮した後で返信をしてください」というぐらいの意味で、これならおおむね望みの意味が伝わるはず。

これに限った話ではないのですが、どうも「ご一考」「ご返信」などのように、動作を表す言葉に「ご」をつけて訳させると誤訳が起きやすい様子です。必ず訳が変になる、というわけではないようですが、英文を作成するために日本語を入力する場合は用心して「ご」を抜いておくとよいのかもしれません。

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