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Google翻訳は2度悔やむ、「遺憾ながら」を訳す際のクセとは?

「誠に遺憾ながら」という言い回しは、政治やビジネスシーンなど、探してみれば幅広いシチュエーションで目にするものです。

今回の記事では、「誠に遺憾ながら」をどう英語で表現するといいか、そしてGoogle翻訳はどれほど的確に英訳できるのかを見ていきます。

訳文を見ていく前に、まずは「誠に遺憾ながら」という言い回しの意味を確認しておきましょう。

これは「たいへん残念である」という意味を表しています。

英語では「It is regret to inform that」や「regretfully」などの言葉が対応します。「残念」を表す一般的な単語である「regret」という単語の派生が多いため、基本的には日本語文の「遺憾ながら」を「残念ながら」に置き換えても同じような英訳がなされるはず。

Google翻訳は「遺憾ながら」をちゃんと「regret」と認識してくれるのでしょうか?

1文目

原文: しかしながら上記の業績予想の修正を踏まえ、誠に遺憾ながら配当予想を1円00銭減額し、2円00銭に修正させて頂く予定です。

Google翻訳文: However, based on the above revised forecasts, we regret to regret that we will reduce the dividend forecast by 1.00 yen and amend it to 2,000 yen.

出典

「誠に遺憾ながら」が「we regret to regret」となっており「regret」という単語が重なってしまっています。「regret to~」は「残念ながら~する」という意味を表すので、これをあえて訳すなら「遺憾ながら遺憾に思う」のような言い方

本来ならば「We regretfully revise the dividend forecast(遺憾ながら配当予想を修正する)」、あるいは「It is regretful to inform that we revise the dividend forecast(残念ながら配当予想の修正をお伝えします)」という形になるのが望ましいでしょう。

「遺憾ながら」以外では、「reduce dividend forecast」という表現が引っかかるところ。原文で対応する箇所は「予想の修正」であるから「reduce(減少)」では意味がズレてしまいます。これは直後に来る「配当予想を1円00銭減額」から「減額」という単語を引っ張ってきたことでこうした訳になったものと思われます。

その他、「2円00銭」が「2,000yen」と訳されている点が気にかかります。直前の「1円00銭」は「1.00yen」となっているのに、どうしてこの形を踏襲しなかったのか、そしてなぜ桁が一つ増えたのでしょうか?

2文目

原文: このため、誠に遺憾ながら、当製品の修理ご依頼時におきまして、近々にご購入頂きました場合でも故障箇所によっては修理不能と判断せざるを得ないケースが今後発生する可能性がございますので何卒ご理解ご了承のほどお願い申し上げます。

Google翻訳文: Unfortunately, when regrettably asking for repair of this product, even if you purchase it soon, there is a possibility that in future cases there will be cases in which you will have to decide that it can not be repaired depending on the location of the failure We appreciate your understanding and understanding.

出典

この文章では「誠に遺憾ながら」が「regrettably」となっています。単語レベルでの訳は妥当なのですが、問題は文構造の把握のしかた。

「regrettably」の位置に注目してみましょう。「when regrettably asking for repair of this product」という箇所に「regrettably」が挿入されていますが、これでは「この製品の修理を残念ながら依頼するとき」という意味になってしまいます

原文で遺憾と表現されているのは、修理依頼をすることそのものではなく、故障箇所によって修理を受け付けられない場合があるという事実です。なので、この訳文は「遺憾である」ことのポイントがズレてしまっているのです。

では、「遺憾ながら」をどこに置くべきなのでしょうか。

先述の通り残念なことは、修理不能と判断しなければならないこと。なので、「regrettably there is a possibility that~」のように、「故障箇所によっては~可能性がございます」という意味を表す文節の直前に来ればより的確になるでしょう

そうしたニュアンスまでうまく反映させるには、文を再構成する必要があります。

このため誠に遺憾ながら、当製品の修理ご依頼時におきまして、故障箇所によって修理不能であると当方が判断せざるを得ないケースが発生する可能性がございます。最近ご購入頂いた商品についても同様です。

何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

Unfortunately for this reason, there is a possibility that we may have to judge that it is impossible to repair depending on the point of failure at the time of requesting repair of this product. The same is true for items you recently purchased.
Humbly thank you for your understanding.

上記は一例として、文章全体をを3つの文章に切り分けたものです。

修理依頼時に遺憾ながら修理不能と判断しなければならないことがあること、最近購入した製品についても同様であること、理解を得られるよう願う旨をそれぞれ個別の文章で表しています。

上記の文章はそれに加え、「ご理解ご了承のほどお願い申し上げます」を「ご理解のほどお願い申し上げます」に書き換えてあります。

大本となる「ご理解ご了承のほどお願い申し上げます」の訳文は「We appreciate your understanding and understanding」となっていますが、「understanding」が重複してしまっています

確かに「了承」の訳語は「understanding」でもOKなのですが、このように同じ単語が続いてしまうと文章として格好がよくはありません。この場合の「了承」は「acknowledgement」か「understanding」という意味が一番近いと思われますが、「acknowledgement」はかなりGoogle翻訳で出しにくい単語です。

なので、ここの「ご了承」は省いてしまい、「We appreciate your understanding」にしてしまうのも手でしょう

3文目

原文: 帝国劇場におきましても、誠に遺憾ながら、過去にネットオークションで偽造された入場券が出品され、その被害に遭われたお客様がいらっしゃいました。

Google翻訳文: Regrettably in the Imperial Theater, indeed regrettably, admission tickets counterfeited at the Internet auction in the past were exhibited, and there were visitors who were suffering the damage.

出典

「誠に遺憾ながら」は「regrettably」と訳されています。これはちゃんと「残念ながら」を表す単語なので、意味は問題なし。

ただ、ここでも奇妙な単語の重複が見られます。それは直後に来る「indeed regrettably」という箇所。これでは「遺憾ながら帝国劇場におきましても、誠に遺憾ながら~」という文章の流れになってしまい不自然です。

一例として、以下のようにすれば的確な訳文を出せます。

過去に帝国劇場にお越し頂いたお客様の中にも、ネットオークションに出品されていた偽造チケットの詐欺被害者がいらっしゃいました。

Among the guests who came to the Imperial Theater in the past, there were fraud victims of counterfeit tickets that had been exhibited in the net auction.

4文目

原文: このたび誠に遺憾ながら、元事務担当者が一部の資金を不適正又は不適切に使用し、結果として多額の使途不明金が発生いたしました。

Google翻訳文: Unfortunately, we regretfully regretted that former administrative staff inappropriately or improperly used some of the funds, resulting in a large amount of unused money.

出典

この文章でも「regretfully regretted」という、「遺憾にして遺憾に思う」と言わんばかりの単語の重複が起きています。文章全体としては的確に意味を捉えているので、これはなんとか直したいところ。

もしかすると「誠に」という言葉が原因の一端になっているのではと検討をつけ、「このたび遺憾ながら、元事務担当者が一部の資金を不適正又は不適切に使用し、結果として多額の使途不明金が発生いたしました。」という文章を訳させてみました。

すると出来た訳文は「Unfortunately, the former clerk in charge inappropriately or improperly used some of the funds, resulting in a large amount of unspecified money.」となりました。意味は大体そのままですが、「遺憾ながら」という意味を明示的に表す「regret」という単語がなくなってしまっています。

しかし「unfortunately(不運にも)」という単語があることで、ある程度「遺憾ながら」のニュアンスを表現できていると言えるでしょう

もうひとつ、「使途不明金」の訳語が「unused money(未使用金)」と誤訳されています。「使途不明金」の訳語は「unaccounted-for money(説明のないお金)」あるいは「unspecified expenditure(用途が特定されていない支出)」などがあります。このうち、「説明のない」という日本語からは「explanation」という訳語が出やすいため、「特定されていない支出」を訳させて「unspecified expenditure」を引っ張り出すほうが簡単でしょう。

とはいえ、なぜか「誠に」を削った文章だとちゃんと「使途不明金」が「unspecified money」となっています。これを見るに大体の場合は「使途不明金」でちゃんと訳されるようですが、確実を期すなら「特定されていない支出」という日本語を使うことも視野に入れていいでしょう。

この記事で見てきた翻訳文を見る限り、Google翻訳が「誠に遺憾ながら」の意味をきちんと拾って訳してくれる確率はそれなりに高いと考えていいでしょう。ただし、場合により同義語が重複する場合が見られるので、「残念ながら」と書き換えた上で訳させる、あるいは「誠に遺憾ながら」が係る文節がズレたりしないよう、文頭に配置するなどの工夫が必要だと思われます。

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