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「不気味」を「かわいそう」に読み替える?Google翻訳の奇妙な誤訳

今回は「creepy」という単語について、Google翻訳でどのように和訳されるか、さらにたまたま出てきたおかしな訳語を見ていきます。

Creepyは英語で「気持ち悪い」という意味。ちょうど日本語の「キモい」や「気味悪い」と同じ感覚で、日常会話では当たり前に出てくる単語です。

「気持ち悪い」にはこの他に「gross」という単語もあります。

両者は少しニュアンスが違っていて、「creepy」は日本語の「不気味だ」「キモい」に相当するのに対し、「gross」は「グロテスクだ」「エグい」という言葉に近いニュアンスです。

例を挙げると、家の周りに不審な人物がうろうろしている状況は「creepy」。

ゾンビが血と内臓をまき散らして惨殺されているときに使うのは「gross」というぐあい。

「creepy」はだいたい「気持ち悪い」という意味でばかり使われるからか、Google翻訳にかけるとほぼほぼ「不気味」あるいは「気味が悪い」という意味で訳されます

It’s too damn creepy.→それはあまりにも気味が悪いです。

Google翻訳にかけた場合、訳語にばらつきはあまり見られませんが、文章によってはたまに突飛な訳になることも。ここからは、珍しく「気味悪い」以外の訳語になった文章の例を見てみましょう。

now creepy Mrs. Pleasant thinks there are ghosts in the house and we’re all in some kind of danger.

今や気が狂っているプレザント夫人が家に幽霊がいると思って、 何もかも危険にさらされている。

出典: Wikiquote

この文章では訳語が「気が狂っている」に。

気味が悪いという言葉はあくまで印象を表すもの。なのにここでは堂々と「気が狂っている」と言い切ってしまっています。

確かに気が狂っている人間は傍目には不気味に見えることでしょう。けれど不気味という言葉を気が狂っていると認識するのは少々行き過ぎでは?

Hate the smell of dampness, don’t you? It’s such a, I don’t know, creepy smell.

湿気の匂いを嫌うのですか? それはそういうものなんだけど、わからないけど、かわいそうな臭い。

出典: Wikiquote

アルフレッド・ヒッチコックの名作ホラー映画『サイコ』のリメイク作品のセリフから。

ここでの訳語は「かわいそうな臭い」。本来なら「気味の悪い臭い」となり、映画の不気味なトーンを演出する言葉になっていたのでしょう。

ところが「かわいそう」だと印象が大違い。「感傷的だ」と言いたかったのだろうかと訳文を深読みしてしまうと、ホラーというよりなんだかしんみりした雰囲気になってしまいそうです。

A lot of concepts that we got rid of a long time ago that would be a bit creepy to have them back.

私たちが長い時間前に取り除いた概念の多くは、それらを戻すのにはちょっとばかげているでしょう。

出典: wikiquote

本来の意味からかなりマイルドになった「ばかげている」という訳語。「不気味である」と「ばかげている」ではかなりの違い。

とはいえこの文章、『ウォッチメン』などの作品で知られるクリエイターのアラン・ムーアが現代社会と魔術との関係性について語った発言。

いわく理性が司る現代は魔術的なものに蓋をした社会であるが、魔術には人を畏れさせる力がある。そんな魔術についてあえて現代で語ろうとすることは不気味なことである、という旨の発言なのです。

魔術という話題であれば、なんとなく「ばかげている」という訳でもOKな気がしてくるような気もします。Google翻訳は文脈が読めないくせに、時々このように文章の背景まで見透かしたような訳をするのがおもしろいところです。

 

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