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意味が絞られすぎてしまう「ときめき」のGoogle英訳

ネットのニュースを眺めていると、ときめきを数値化する美容向けデータプラットフォームというものが。

「ときめきを数値化する」というコンセプトの斬新さ。なるほどなと感心するとともに心に浮かぶのは、そういえば最近ときめいてないような……という一抹の寂しさ。

でも待った。ときめくってつまりどういうことなのか?ここで、なんとなくわかるけどうまく言葉にできていない自分に気がついたのです。

ときめくの意味

手持ちの明鏡国語辞典第二版を引いてみると、「ときめく」とは

喜びや期待がわきあがって胸がどきどきする

という意味だとか。心臓が高鳴るほどの喜びや期待、なるほど長らくご無沙汰です。 昔はあったようななかったような気がしますが、記憶がどうもあやふや。

ときめきをGoogle翻訳で英訳

ときめき、と口に出して言うだけでもなんとなく面映ゆいようなこの言葉。毎度の通りGoogle翻訳にかけていくと、結構な確率で出てくるのは「crush」という単語です。

その音は彼女の胸に一種奇妙な軽いときめきを与えた。
The sound gave a sort of strange light crush on her chest.

英語で言う「crush」の一般的な意味は「衝突」というぐらいの意味です。
とはいえ口語的な用法として、「誰かを好きだと感じる強烈ながらも一時的な感情」という意味もあるのです。Google翻訳が対応させているのは間違いなくこちらの意味。

これに続いて多いのは「throbbing of heart」。「throb」とは「心臓が鼓動する、どきどきする」という意味で、必ずしも恋心とは結びつかない単語です。恋心ではなく期待で胸が高鳴るという場合にもしっくりくる訳語はこちらの方だろうと思います。

「crush」だと必ず恋心というか、誰かを好きになるというニュアンスが含まれるので。

もうひとつの「ときめき」

ところで「ときめく」にはもう一つ用法があって、それは

よい時機にめぐりあって栄える。時流に乗ってもてはやされる。

というもの。「今をときめく~」なんていう表現、時々目にすることもあるのでは?

こちらの意味は果たして認識できるものだろうかと「今をときめく~」という形で使われる文章も訳させてみました。

いまをときめく女流作家のこの小説が、いいの悪いの、といっているのではない。
It is not said that this novel by a female writer who crumbles at the moment is not good, bad.

江國滋『日本語八ツ当り』

例文は少数ながら、うまく訳せていないケースがほとんど。「今を」という部分にそのまま「now」や「present」を当て、「ときめく」の部分は「crush」や「pull」、「stop」など、意味にそぐわない単語が当てはめられている例ばかりが見られました。

この意味での「ときめく」は一例として「ride the wave」という英訳がピッタリきます。これは波に乗る、転じて有利なタイミングを活かしているというぐらいの意味。

とはいえこの意味での「ときめく」は、ほぼほぼGoogle翻訳では認識されないようです。

純子は現在、いまをときめく流行作家であり、川名の収入をはるかに超えている。
Junko is currently a trendy fashionable writer, far exceeding the income of Kawana.

森村誠一『山の屍』

この訳文だと「トレンディ」と英訳されていて、結構いい線いってるけれども。厳密には微妙でも、結構できてる方の訳だと思うんですコレ。

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