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単語だけ知っていても活用しにくい?「due」にまつわる英訳法

何にでも期限はつきもので、記事を書くのも毎度締め切りとのにらみ合い。

英語で「期日」は「due」と言いますが、単にこれだけわかっても使いにくいもの。期日にからむ英語の表現をうまくGoogle翻訳から引き出す方法を見ていきましょう。

今回の原文は、Weblioより以下の文章。

お支払いの期限超過についてお知らせします。

請求書は12月3日にお送りしました。お支払いは12月15日が期限でございます。今日現在、私どもはお支払い金を受領しておらず、支払い期限は5日過ぎております

お支払いを速やかに行っていただけたら幸いでございます。もし、お支払いがお済みでしたら、このメールは破棄いただければと存じます

これをGoogle翻訳にかけたのが以下の訳文。

We will inform you about overdue payment.

The invoice was sent on December 3rd. Payment is due December 15th. As of today, we have not received payment and the payment deadline is over 5 days.

We would be pleased if you could make payment promptly. If payment is done, we will abandon this mail.

それでは、訳文のポイントを見ていきましょう。

お支払いは12月15日が期限

「お支払いの期限は」という日本語は「payment is due」と訳されています。基本的にこれでいいのですが、注意したいのは動詞の時制

これは支払いの期限が過ぎているので、その期限以降になって先方に支払いを促すメールです。なので、このメールを書いている段階では期限の日は過去の日付になっており、したがって「payment was due」と過去形で書くべきなのです

日本語であれば「期限でございます」で問題なく通じます。しかし英語は、日本語に比べて時制の決まりが厳しい言語。適切な英訳文を出力させたければ「お支払いは12月15日が期限でした。」と、過去形で訳させた方が自然な訳文になります。

期限は5日過ぎております

ここの英訳は「deadline is over 5 days」。「支払い期限」は「payment deadline」、「5日過ぎている」を「over 5 days」と逐語訳した様子。なんとなく通じそうな書き方ですが、これでは「期限から5日過ぎた」という意味にはならないのです

注意すべきは「Over ~ days」という箇所。このように日数や年数の前に「over」を置くと、一定の期間を指す表現になります。例えば「over a week」だと「1週間の間」、「over 3 days」だと「3日間」となります。これらは時間軸上のある一点ではなく、時間的な広がりを意味する表現なのです。

なので「deadline is over 5 days」と書いてしまうと、「期限は5日間」となってしまいます。期限とは、時間軸上ではある一点を表す言葉。なので、時間的な広がりを持つ「5日間」が期限であると言ってしまうと、一体何のことだかわからなくなってしまいます。

では、どんな表現で英訳させると適切な訳文が出るのでしょう?

ここは、「期限が過ぎている」の言い換えで解決します。「過ぎている」だと「over」が出るのであれば、「期限切れ」の別の表現、例えば「延滞」などが使えるでしょう

一例として「支払いが5日間延滞しています」と入力すると「Payment has been overdue for 5 days」という英訳文が。「overdue for ~」で「期日から~だけ遅れている/~間延滞している」という意味になるので、望みの英訳文ができあがります。

もしお支払いがお済みでしたら、このメールは破棄頂ければと存じます。

この一文の英訳は「If payment is done, we will abandon this mail.」。その意味は、「今後支払いを完了した時に本メールを破棄します」というような文面になっています。

この訳文の問題は2つ。

1つは時制の問題です。この文章の意図するところは「このメールが届いた時点ですでに支払いを行っているのであれば、このメールを破棄して下さい」ということ。支払いがされているならば「支払いが済む」という部分は過去形か、過去完了形にするべきなのです。ところがこの文章は「if ~ is ○○, we will ~(もし○○が~なら、私たちが~します)」という形になっています。これでは「将来的に支払いを完了した際には、私たちがメールを破棄します」という意味になってしまいます。

2つめは主語です。この文章は本来「メールを破棄してください」と依頼する文面であるのに「we will ~」という、メールの送り主がメールを削除するかのような言い方になっています

適切な英訳文を作るためには、個別に問題に対処していきましょう。

時制の問題を解決するには、原文に「これ以前に」という意味の言葉を含めればOKです。そうした言葉は、例えば、「すでに」が挙げられます。これは英語で「already」と訳されるだけでなく、こうした言葉があることが文全体の意味の解釈に作用し、訳文の時制が過去完了形として出力されるのです。

主語の問題も、これが依頼するための文面であるとわかれば解決は簡単です。日本語ではよく使われる「~頂ければと存じます」という表現を、ストレートで英語的な「破棄してください」と書き換えるだけでOK。この形式は「please~」の形で訳されるため、一般的な依頼の文章ができあがります

これまでを踏まえて、適切な英訳文を出力させるため必要な入力文の一例を書いておきます。

お支払いの期限超過についてお知らせします。

請求書は12月3日にお送りしました。お支払いは12月15日が期限でした。今日現在、私どもはお支払い金を受領しておらず、支払いが5日間延滞しています。

お支払いを速やかに行っていただけたら幸いでございます。もし、お支払いがすでにお済みでしたら、このメールを破棄してください。

We will inform you about overdue payment.

The invoice was sent on December 3rd. Payment was due December 15th. As of today, we have not received payment and payment is overdue for 5 days.

We would be pleased if you could make payment promptly. If you have already paid, please discard this email.

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