今回の記事では、ビジネスメールの例文をもとに、Google翻訳で丁寧な英語表現を出力させるにはどのような文章を入力すればいいかを探っていきます。
単純に日本語の表現を丁寧にすればいいわけではありません。場合によっては、多少直感に反する文章を入力する必要も出てきます。
今回はこちらの記事から複数のビジネスメール表現を取り上げ、Google翻訳を使って日本語から英語に訳させ、記事にある対訳と比べてどの程度意味が近いか、そして丁寧かどうかをチェックしていきます。
以下から、9つの例文について見ていきましょう。
直前のお願いで申し訳ありませんが、〜をして頂けると大変助かります
→I am sorry in the last request, but it is very helpful if you can do ~.
「直前のお知らせ」と言いたい場合には一般的に「short notice」が使われます。例えば12日の用事について11日に詳しい知らせが来た場合などは「short notice」になります。時間の隔たりが少ないのに、「short」とあたかも距離の隔たりが短いように言っている点に注意しましょう。
「直前のお知らせ」という日本語では「the last request」(直近の要請)となってしまい、意味が変わってしまいます。
「短い通知」などの日本語からでは「brief notice(内容の短い通知)」などになってしまってなかなか出てきにくい表現です。
少しズルのようですが「ショートノーティスのため申し訳ありませんが~」とすると、「I am sorry for the short notice~」という適切な文章が出力されます。「が」では「by」になるので、「のため」に書き換えるのをお忘れなく。
緊急なお願いがございます。明日までにあの資料を私に送っていただけますか?
→There is an urgent request. Could you send me that document tomorrow?
「緊急の要件」は「uegent request」で問題ありません。要件があると言いたい場合、英語の表現では「I have ~」という形が一般的です。こちらの表現を出力させたい場合は「緊急の要件を持っています」とすればOK。
出来るだけ早く私に連絡をください。
→Please contact me as soon as possible.
「Please」という言い方はある程度丁寧なものですが、職場の上司や初対面の相手に対しては、もう一段丁寧さを増した「Would you~」や「Could you~?」という表現が望ましいです。
日本語で「~して頂けますか?」という表現を入力すると「could you please~?」という文章になります。丁寧にものを頼みたいときはこちらを使いましょう。
〜をお知らせできて嬉しいです
→I am happy to let you know ~
「嬉しいお知らせがあります」に対応する英語表現は「I am happy to inform you that~」というもの。直訳すると「~をお伝えできて嬉しいです」というような文面です。
この訳文は「I am happy to~」の形はできていますが、「知らせる」が「let you know」という表現になっています。ひどく失礼というわけではないのですが、丁寧な表現としては「inform you that~」という形が望ましいです。
この表現を出すのは少し難しいですが、「~を通知して幸福です」という日本語を入力すると「I am happy to inform you that~」という、出典記事にも出てきた表現が出力されます。
残念なお知らせがあります。
残念ですが、予定が変更されました。
→Sorry, the schedule has been changed.
悪い知らせであることを伝えるため、文頭に「Unfortunately(不幸にも・申し訳ないのですが)」をつける表現があります。
出典記事で「申し訳ないのですが」に対応していたのは「unfortunately」ですが、この訳文ではそのニュアンスが読み取れません。この通り訳させたいのであれば、最初の「申し訳ないのですが」を「不幸にも」と書き換えればOKです。
申し訳ございませんが、以下の注文をキャンセルしたくお願いします。
→I’m sorry, I would like to cancel the following order.
「申し訳ありません」を「I’m sorry」と訳している点に注意。字義としては正しいのですが、出典記事にある表現は「I regret to inform you~」となっています。
これはフォーマルな表現で「残念ですが~ということをお知らせします」という意味です。丁寧な形で「残念ですが」や「申し訳ありませんが」と言いたい時は、こちらの表現が望ましいでしょう。
この形式の文章が欲しい場合は「~ということを残念ながらお伝えします。」という表現を入力すれば英訳してくれます。~以降には伝えることの内容を入れればOKです。
スケジュールを調整して頂きありがとうございました。
→Thank you for adjusting the schedule.
意味としては問題ない英訳ですが、丁寧さという点でもう一工夫する余地があります。
英語で「ありがとうございます」と言いたい場合、「thank you (so much)」の他、より丁寧な言い方として「I appreciate」という表現があります。
困ったことに「ありがとうございました」をどう丁寧に言い換えても「I appreciate」の表現はなかなか出てきません。どうしても「appreciate」を出させたい場合は、「~ということを私は評価します」と入力する必要があります。
appreciate」には「よさがわかる」「価値を認める」という意味もあるため、そちらの意味から単語を導き出させるしかなさそうです。
更に情報が欲しい場合は遠慮なく連絡してください
→If you would like further information, please do not hesitate to contact me
英語で「遠慮なく~してください」と言いたい時には「feel free to ~」や「please do not hesitate to ~」などの表現が使えます。
「feel free to」よりは「please do not hesitate to」の方がよりフォーマルな表現なので、ビジネス上で使う場合、あるいはよく知らない人相手に使うにはこちらの方がより丁寧に聞こえるでしょう。
幸いにも「please do not hesitate to~」は「遠慮なく~してください」でストレートに訳してくれるようです。
Google翻訳を使っても少し工夫をすることで、フォーマルな場でも使える丁寧な英語表現を出力することができます。
必ずしも丁寧な日本語が丁寧な英語として訳されるわけではないことに注意しておきましょう。