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「failure」のGoogle翻訳は「失敗」「障害」の二択、けれど精度はいかばかり?

今回は「Failure」という英単語について、Google翻訳の和訳の傾向を探ります。

日本で暮らしていても見ることの多い単語で、それだけ使われることも多いこの言葉。ひんぱんに使われる言葉でも、果たしてGoogle翻訳の訳はどれほどの精度なのでしょうか?

Failureの意味

「Failure」は大まかに2種類の意味に区分されます。

失敗

代表的なのはこちらの意味。日常的な失敗から大事につながる失敗まで、何かがうまくいかなかったことを表す一般的な単語です。

This challenge was a failure.→この挑戦は失敗した。

故障・機能不全

もう一つ代表的な意味は「故障・機能不全」という意味。

これら、あるいはこれら以外の何らかの事由によりシステム障害が発生した場合→In case of the system failure for these reasons or for the other reasons,

こちらの意味で使われる場合は、機械やソフトウェアなどのシステム障害を指す文脈で使われることがメイン。先日東証で起きたシステム障害も、英語では「system failure」と表されます。

このほか、医学分野でも類似の意味で使われています。

To provide a model animal with liver function failure, having failure in repair function of failure in glomerulus.→糸球体における障害の修復機能に障害を有する腎機能障害モデル動物の提供。

「liver failure」などの文脈で使われる場合、臓器や組織が正常に動かない状態を表現します。和訳する際は「~不全」あるいは「~障害」という訳語があてられます。

Google翻訳の傾向

一般的な文書をGoogle翻訳にかけた場合、「失敗」あるいは「(システムなどの)障害」と訳される場合がほとんど。実用上の問題点としては、それぞれの意味で使われる場合をしっかり区別できるかどうかです。

その点については(少々意外なことに)Google翻訳の識別精度はなかなか高いといえます。なので、「failure」の和訳については信頼を置いてもいいでしょう。
とはいえ、時々そこから外れる訳語も出てくるもの。例えば

We need to recognise that the entire information sector—from music to newspapers to telecoms to internet to semiconductors and anything in-between—has become subject to a gigantic market failure in slow motion.→音楽から新聞、テレコム、インターネット、半導体、そしてその間のあらゆる情報セクターが、スローモーションで巨大な市場の不調和を受けるようになったことを認識する必要があります。

などは訳語が「不調和」となっており、「失敗」とも「障害」ともつきません。

ニュアンスとしては「機能不全」に近いのかもしれませんが、経済用語として「市場の失敗」という言葉があります。これは市場の機能が働いた結果経済が非効率になるという現象。

巨大な市場の「failure」に情報セクターも飲み込まれつつある、という旨のこの一文。市場の失敗としてもよさそうな、そうでもないような、と考えてみれば「不調和」と訳したGoogle翻訳の気持ちもわかるのかも……?

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