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「trick」の訳語は9割方「トリック」、では残り1割は?

毎年今頃になるとよく見る「trick or treat」の文言。「お菓子かイタズラか」というハロウィンの定型句ですが、「trick」という単語には他にもさまざまな意味があります。

案外多様な「trick」の意味と、Google翻訳にかけた時出てくる訳語の傾向を見ていきましょう。

Trickのおもな意味

策略・ごまかし

「trick」はかわいらしいいたずらにとどまらず、悪意でもって人を騙すことを指すのにも使われます。

「嵌めやがったな!」と英語で言うときも「You tricked me!」というフレーズが一般的。

手品・芸

日本語でトリックという時には手品そのものを指す場合と手品のタネを指す場合がありますが、英語では基本的に手品そのものを指すため使われます。

例えば「card trick」はカードを使った手品「vanishing trick」は、物や人をその場から消してしまう手品というように。

さらに動物の芸を指して「trick」という場合も。「You can’t teach an old dog new tricks.(老犬に新しい芸は仕込めない)」という英語圏のことわざが有名です。

コツ

ものごとを達成するための不思議な方法というトリックの意味が転じたのか、この単語は何かの「コツ・秘訣」を指すためにも使われます

「The trick is ~(コツは~だよ)」や、「That’s the trick(それが秘訣さ)」という表現を聞いたなら、十中八九この意味と考えていいでしょう。

Google翻訳の傾向は?

このように多様な意味を持つ「trick」ですが、Google翻訳にかけると出てくるのはかなりの割合で「トリック」という訳語です。これはイタズラの意味で使われる文脈だけでなく、コツという意味で使われる文章でも多くの場合こうなります。

The trick of course was not to go just anywhere, but to go where they might accomplish something useful.→もちろん、そのトリックはどこにでも行くのではなく、何か役に立つものを達成するために行くことでした。

「だます」という意味の動詞で使われる場合は、多くが「騙す」という訳語になっていました。

It’s much easier to lie to humans and trick them than to tell them the truth.→真実を伝えるよりも、人間に嘘をつけて騙す方がずっと簡単です。

大まかにまとめると

1.名詞の「trick」は、文脈を問わず高い確率で「トリック」

2.動詞の「trick」は「騙す」

という日本語に出力されるという傾向だと言えるでしょう。

とはいえ、時々は傾向を外れたり、おかしみのある文章が出てくる場合も。ここでは2つ紹介していきましょう。

Kids: Trick or treat! Halloween!→子供たち:トリックやトリートメント! ハロウィーン!

ハロウィンの時期によく聞く言葉……と思ったら大違い。

「trick」という単語自体は「トリック」と訳される普通の例。ただしこの文、「トリック・オア・トリート」という決まり文句なのに、その通りに訳されてはいません

「trick or treat」だけを入力すればちゃんと「トリック・オア・トリート」と出力されます。この文章でそうならないのは、その前に「kids」という単語があり、コロンで区切られているのが理由。

「Trick or treat」という文言は、同じ文章内に別の単語が混ざると訳され方が変わりますコロンで区切った場合はピリオドを打った場合と違い、コロンの前後の文節は同じ文章であるとみなされる様子。そのため、「トリックやトリートメント」という直訳調になってしまうのです。

They have learned that mystery and concealment in the management of their affairs cover tricks and betrayal.→彼らは、彼らの仕事の管理における謎と隠蔽が欺瞞と裏切りをカバーすることを学んだ。

「trick」をGoogle翻訳にかけると、出てくる訳語は8割方「トリック」。その中にあって異彩を放つこの一文の「欺瞞」という単語が妙に印象に残ったので紹介。

欺瞞とは人を欺くこと、騙すこと。冒頭で解説した、かわいくない方のイタズラを指す言葉です。

「mystery(謎)」や「concealment(隠蔽)」、「betrayal(裏切り)」という単語のチョイスから、ここの「trick」も「イタズラ」なんて生やさしいものじゃなさそうなのは明白です。

ここであえて難しめの「欺瞞」という言葉をチョイスしたのは、周りに難しそうな単語がずらりと並んでいたから?

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