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「死ぬ」の類義語、いくつ言えますか?そして機械翻訳はいくつ知っているのか?

前回の記事を書いた後であらためて「そういえば日本語で死ぬという表現もいろいろあるよな」とふと頭をよぎった昨日。

そうなると気になるのは、Google翻訳がどこまでの言葉を認識できるかという事。誰がなんと言おうと気になるもの。

ということで、日本語で「死ぬ」を意味する6通りの表現をGoogle翻訳で英訳させ、その訳語の傾向を調べてみました。

亡くなる

「死ぬ」の次ぐらいに頻繁に使われているんじゃなかろうかという「亡くなる」という表現。これを含む文章をGoogle翻訳にかけるとほぼ「die」あるいは「pass away」という、どちらも「死ぬ」を意味する単語に訳されます。

父親も亡くなったのに、なぜまだ二人は、こんな山の中に住んでるのか?
Why are the two still living in such a mountain though the father also died?

15通りの文章を訳させて、必ずどちらかの単語になったので、これについては英訳の信頼度は高いといえるでしょう。

没する

個人的には歴史上の人物について言うときに使われる言葉という印象の「没する」。

江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜を、その生い立ちから没するまで描いた。
Tokugawa Yoshinobi, the last generals of the Edo Shogunate, was drawn from its birth until it died.

とこのように、ちゃんと「死ぬ」という言葉として認識してくれます。

ところがやっかいなことにこの単語、「死ぬ」だけでなく単に「沈む」という意味もあるのです。

実はその区別が非常にやっかいで、人間なら文脈でわかるところGoogle翻訳は

以降没するまでの数年間、秀継は常に対佐々の最前線に立つ事となる。
For several years until submergence, Hidetori will always be at the forefront of Sasa.

というように、死ぬという意味で使うべき場合でも「submergence(沈む)」という誤訳をしてしまうことも。

となるとその逆もしかりで、「沈む」となる場合を「死ぬ」とする場合もあるということ。

多義語につきものの問題ですが、これについてはあまり信頼しない方が無難でしょう。

逝く

何が起こったのかすら認識しないまま逝ったという可能性もある。
There is also the possibility that he passed away without even knowing what happened.

個人的な印象としては文語に近い表現で、日常ではまず使わないこの言葉。しかしGoogle翻訳はほぼ「pass」あるいは「pass away」という訳語を返してくれます。

これらはどちらも「死ぬ」という意味。直接的な「die」ではなく、婉曲的な「pass away」を返すあたり、けっこうレベルの高い翻訳です。

事切れる

自分が会話の中でまず使うことはないだろうなってな言葉に果たしてGoogle翻訳は対応できるのか?

などと思っていたら

地に転がったときには、道鬼はもう完全に事切れていた
When the mother rolled into the ground, the moron was already completely sold out.

まさかの「sold out」(売り切れ)。

他の文章を見ても「out of sight」や「out of control」など、「死ぬ」を微妙に外したイディオムばかり。

おそらく「切れる」が作用して「~ out」や「~ down」といった表現が出るのでしょうが、「死ぬ」を意味するとは認識されていないようす。

身罷る

恥をさらすようでナンなのですが、自分ではこの言葉、一度も使ったことはなかったです。

文語調のあまり使われない言葉、ということは対訳データも少ないと考えられ、Google翻訳にしてみれば逆風に他なりませんが…

また、貴人が死ぬことは「身罷る」、「お隠れになる」とも表現されてきた。
Moreover, it is expressed also that the noble person dies “to lose” and “to become hidden”.

あーおしい。

「lose(失う)」でなんとなく惜しいような感じ。

他の文章でも出てくるのは「lose oneself」や「faint」など、わずかに「死ぬ」というニュアンスを外してくる表現ばかり。

一番ニュアンスが近いのはこれでしょうか

が、ジュリアンの死後三日して子供たちを抱きながら彼女は身罷った
But while Julians died on the third day after she died, she got destroyed.

でも「destroy」は勢いがよすぎるのでは……?

殉ずる

手持ちの明鏡国語辞典を引いてみると

主君の後を追って自殺する
価値あると思うことのために自分の命を投げ出す
義理を立ててある人の行動に従う

という意味のある言葉なので、直截に「死ぬ」とはいえない微妙なニュアンスの理解が問われるこの言葉。

訳させてみると文脈にもよりますが、ごくたまにそれらしい意味が出てくるというぐらい

むろん、これらの名誉ある戦死者は、神の栄光に殉ずる者としてほめたたえられるであろうけど。
Of course, these honorable war deads will be praised as those who are dedicated to the glory of God.

「dedicated to」は「献身する」という意味なので、命を捨てるほどというニュアンスはないものの意味の上ではかなり近いものがあります。

ほかにも

国家に殉ずるの覚悟はもつべきだ。
You should have the preparedness to be martyred to the state.

では「martyr(殉教する)」と出てくるし

国のために殉ずる、それも一つの生き方に違いないが、自由という個人の考えを尊重する思想もある。
Destroyed for the country, that must be one way of life, though there is a philosophy that respects individual thought of freedom.

この文章では「destroyed(滅びる)」という単語をチョイスするなど、おおざっぱな意味は掴めているなという印象です。

とはいえこれは一部の例。今のところの印象では6割方は少しズレた訳文になってしまうため、精度に関してはほぼ信頼できないといってよいというところ。

機械翻訳の弱みとして、細かいニュアンスを認識できないということがよく言われます。

こうした結果を見るとまさに言葉の通りで、Google翻訳が柔軟に対応できるのはベーシックな表現に限られるというのがわかるでしょう。

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